七綴り

消せないアドレス

携帯に残った君の名前
もう掛ける事のない君の番号
送られてくる事のないアドレス
ただただ残された君の名前

そろそろ消してしまおうか
何度もそう思ったけど
どうしても消せないでいる
もしもこれを消してしまったら
最後の"繋がり"も消えてしまう
そんな気がするから…

ねぇどうして
君を忘れられない
別れの言葉も言えなかった
本当は電話もメールもしたいけど
君に僕の声は届かない
届かない、届かない、届かない

大きく息吸って画面を見る
"削除"の欄にカーソルを合わせる
後はボタンを押すだけなのに
どうしてもそこで躊躇ってしまう

吸って吐いて深呼吸
何度も気を落ち着かせて
それでも消せないでいる
君にとってはいい迷惑かな
何より君はそれを望まない
それはわかってるから…

ねぇどうして
君を忘れられない
どんなに想い望もうが
本当は今すぐにでも会いたいけど
君に僕の想いは届かない
届かない、届かない、届かない

もしこのまま君を忘れないでいれば
例え君が僕の事を忘れたとしても
勝手に好きになった僕が悪い
早く忘れるから全部忘れるから…

なのに、消せないアドレス

ねぇどうして
君を忘れられない
早く忘れたい全部消してしまいたい
本当は側にいて欲しかったけど
君に僕の言葉は届かない
届かない、届かない、届かない