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雪のように
こんなにも好きなのに
素直になれない
ただ言葉交わす事も無く
手を握る
ふわりと舞い白く染める
綿雪のように
手を触れた瞬間
溶けて無くなるから
いつもの待ち合わせ場所
駅前の広場の隅
寒空の下僕は
白い息を吐きながら待ってる
舞い散る雪が頬に掛かる
私は急ぎながらも払う
寒さで悴む手を擦りながら
君が待つ場所へと急ぐ
初めて出会った場所は
今も忘れない
雪で白く染まったあの景色
水が混じり頬を濡らす
霙雪のように
触れる前からもう
溶け始めていた
顔を合わせれば喧嘩
君は膨れっ面でまた
僕の悪いところを
思いのままにぶつけてる
上辺だけの『ごめん』は
聞き飽きた
私が欲しい言葉は
何もないから君に
ただ抱きしめて欲しいだけ
こんなにも好きなのに
素直になれない
ただ側にいて欲しいだけなのに
触れれば傷つき血が出る
氷雪のように
無意識の内に
傷つけてしまってる
初めて出会った頃のように温かく
身体を寄せ合い肩を抱いた
好きで好きで仕方ない
だけど辛いんだ
雪は積もっては
すぐに溶け逝くから
ふわりふわり舞い上がる
粉雪のように
心まで白く君色に染まるよ
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