あの日の君と

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あの日の君と

長い長い年月を経て 徐々に整い始めた俺のメンタルが まるでマドラーで掻き回されるかのように またぐちゃぐちゃに崩れ始めた "さよなら"言ったあの日から止まったままの刻が 静かにまた鼓動を始める あの日の君と同じ言葉を吐く 彼女が現れてしまったから まるであの日の君のように わがままでぶっきらぼうで こっちの方が歳上なのにタメ口で 懐かしくもあり苦しくもある あの日と同じ感覚がまた…… いつまで俺の中にいるつもりだ 早く出ていってくれと叫んだ わかってるそうじゃない 口では憎まれ口を吐きながらも 本心は…… あの日の君と比べられても 彼女はいい気がしないだろう 思い出なら素直にアルバムにでも しまっといてくれと言われそうだ なんて哀しい男の性か 離れるべくして離れた君が 瞼の裏に焼き付いて消えない 歳を取り過ぎるとどうもいけない 涙腺が緩んでしまって仕方がない 思えば思うほどに遠い君が 良くも悪くも清濁合わせ飲むも あまりに大き過ぎた君の存在が…… いつまでも情けない男だったな 消しても消えないこの記憶が わかってるそうじゃない 口では減らず口を吐きながらも 本心は…… いつまで俺の中にいるつもりだ 早く出ていってくれと叫んだ わかってる、わかってるから 口では憎まれ口を吐きながらも 本心は……やっぱり好きだったなぁ 情けなくてもいい 無様でも醜くてもいい やっぱり君が世界で一番 好きだったなぁ
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