prologue

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「あーあ。なんかおもしろいことでもねえかなあ」 お決まりの台詞を男が言うと、もう1人が続けて言った。 「俺らって、なにを話してても、結局そこに落ち着くのな」 「だよなあ……。でもさ、お前はいいじゃん。彼女いるんだしさ。 俺なんか彼女もいないからさあ。マジで最近、何にもないんだけど」 四人の男が、どこの町でも見かけるような居酒屋の一角でジョッキを手に盛り上がっていた。 彼らの会話は、1人が言ったとおり、いつだってこのパターンで。 変化はほとんど見られなかった。 しかし、今日ばかりは違ったのである。
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