絶望の

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「お姉さん……ごめんなさい……」 日向くんが涙を滲ませて謝る。 これじゃあたしも悪いみたいじゃん。 ガララ、と戸が開く音を鳴らせて、誰かが入ってきた。 どうせ看護師か。 ……と思っていたら、違うようだ。 「日向、元気かっ?」 わたしの中での男のデータからすると、完全にバカっぽい声を弾ませながら。 「おにぃちゃぁぁ~ん…」 「うわっ、また泣いてやがる。」 「お姉さんが泣いちゃったの……」 はっ? 何言ってんの、こいつら…… 「おねーさん?」 無言でわたしを指差すガキ。 振り向いたそいつの顔は、わたしが言える立場がないが、かなりチャラかった。 派手な服装。 日焼けした肌に、それと比例して茶色い髪の毛。
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