0人が本棚に入れています
本棚に追加
「お姉さん……ごめんなさい……」
日向くんが涙を滲ませて謝る。
これじゃあたしも悪いみたいじゃん。
ガララ、と戸が開く音を鳴らせて、誰かが入ってきた。
どうせ看護師か。
……と思っていたら、違うようだ。
「日向、元気かっ?」
わたしの中での男のデータからすると、完全にバカっぽい声を弾ませながら。
「おにぃちゃぁぁ~ん…」
「うわっ、また泣いてやがる。」
「お姉さんが泣いちゃったの……」
はっ?
何言ってんの、こいつら……
「おねーさん?」
無言でわたしを指差すガキ。
振り向いたそいつの顔は、わたしが言える立場がないが、かなりチャラかった。
派手な服装。
日焼けした肌に、それと比例して茶色い髪の毛。
最初のコメントを投稿しよう!