絶望の

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あまりサボったりもしなかったし、先生にも好かれていたし。 友達だって、例によっていっぱいいた。 でも、親には好かれなかった。 半年の命って言われても、涙の気配もなかったし。 お姉ちゃんがわたしと違ってお利口さんだったからかな。 むしろ、嬉しそうにさえ見えてきた。 入院して4日目。 注射とか薬ばっかで、やってらんねぇ。 運ばれてきたおぼんに緑の食べ物と薬が乗ってある。 皿の中を箸でつっつき、肉っぽいのが出てきたら食べる。 残りの緑は、ごみ箱にザッと捨てる。 「ごちさま」 誰に言っているのか、自分でもわからない。 しかし、隣の子がその声に反応し、話しかけてきた。 「お姉さん、ちゃんと食べないとだめだよ」
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