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「あれー?つーちゃん、、ナルちゃんは?」
昴先輩に抱っこされたままあたりを見渡すミカちゃん先輩。
「ふたりなら、服装チェックをほったらかして、自分たちだけエロいことしに行きましたよ。ミカちゃん先輩によろしく、とのことでした」
無表情で淡々と告げると、ミカちゃん先輩はプクーッとほっぺたを膨らます。
「もおおおおお!あの、いんらんカップル!!!!仕事もさぼってアンアンしに行くとはけしからーんっ!!!!見つけたらタダじゃおかないんだからっ!お仕置きだねっ!泣かせてやる!」
超可愛い見た目のミカちゃん先輩からそういう言葉が出ると、ゾクっと興奮してしまうのはなぜだろう……。
まあ、それは、俺だけじゃないみたいだけど。
「……ミカ。そゆこと言っちゃダメ。なんか興奮するから」
デルモ……やはりお前もか。
昴先輩はミカちゃん先輩が大好きだ。でも、それは完全に先輩の一方通行で、ミカちゃん先輩は昴先輩の気持ちに全く気づいていない。それどころか、ミカちゃん先輩、エロの知識はあるわりに恋愛には興味がないとかで恋人を作ろうとしない。たぶん、昴先輩のことは、たくさん抱っこしてくれる面倒見のいいオトモダチ、くらいにしか思ってないんじゃないかな……。
「え?なにがだめ?いんらん?それともあんあん?ていうか、なんで昴が興奮するの?ねえねえ」
「……お願い、もう喋んないで。立ちそう」
「すばる~、ナニが立ちそうなのっ?」
時々、思う。ミカちゃん先輩、もしや確信犯!?
まあ、なにはともあれ、昴先輩には俺も同情するよ……。
「とりあえずあのふたりにはあとで残りの仕事押し付けるとして、俺たちもそろそろ教室行こうか。朝のホームルーム始まる時間だよね?」
未だ昴先輩に言葉攻めしているミカちゃん先輩に代わって、真人先輩が落ち着いた口調で言った。
「あ、すいません……俺、まだ取り締まらなきゃいけないやつがあとひとり残ってるんで」
俺は目を細め、親指を立てると勢いよく下に向けて答える。
「あっ☆伊織姫かあ~」
ようやく言葉攻めが終わったらしいミカちゃん先輩がピコーンと閃いたように言った。
「なに言ってんですか。アイツは姫なんかじゃありません。ただの……ブスですから!!!!」
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