443人が本棚に入れています
本棚に追加
――――翌日
『…身体痛い……。』
ソファで寝たのが間違いだった。身体の節々が痛い。本当はこのまま午後の授業も受けたかったが、仕事が残っていたのを思い出して渋々武は生徒会室に向かった。
ガチャ
「あ~、たけたけ来たぁ。オハヨー。」
「お、はよ……。」
「「やっほーたけたけ!!」」
「おぅ…。」
『…あれ?副会長がいない…。』
いつも生徒会室には1番乗りで来て仕事をしている副会長が居なかった。そういえば朝、副会長は転校生の案内をしたんだよな…。だとしても遅い。何となく気になった武は隣りに居る凩にちょんちょんと指でつついた。
「ん~?どうしたのたけたけ?」
「副会長、は…?」
「副会長?そういえば遅いね副会長ぉ。ねぇねぇ会長知らなぁい?」
「知らねぇ、朝に転校生迎えに行ったきりだ。」「そっかぁ。」
知らないって~とヘラリと笑いながら凩が言った。
とその時、
ガチャ
「噂をすれば副会長ぉ~。」
「「遅かったね副会長!!」」
扉の方を向くとなんだか嬉しそうな副会長がいた。どうしたんだろう…。
「どうした久城。嬉しそうだな。」
「えっ!あっ…、なんでもありませんっ。」
「副会長あやしぃ~、なんか隠してるでしょ?」「何も隠してませんっ!」
「副会長慌ててる!」
「「あやしい~!」」
「副会長…、良い事あったのか…?」
駄目押しに聞いてみると久城は諦めたのか言葉を紡いだ。
「…転校生の大海原太陽はとても良い人物です。彼は僕を理解してくれました。」
そう言った久城は今まで見た事無い緩みきった顔だった。…正直変態臭かった。
「……ほう、真面目な久城をここまで落とすとは…、フン興味深い。おい、夕食の時に転校生を見に行くぞ。大抵の生徒は食堂を利用するだろうし。」
「なっ!?止めてください!!太陽は見世物ではないのですよ!?」
「心配するな、ちょっかいはかけねぇよ。」
ニヤリと悪そうに笑う城之内。絶対ちょっかいかける気だ…。
「……仕方ありませんね。城之内は言ったら言う事聞きませんし…。」
「あん?」
「なんでもありません。」
城之内に睨みつけれられた久城は慌てて口を噤んだ。
『大海原太陽…、一体どんな奴なんだ…?』
転校生への少しの興味を抱きながら仕事に取り掛かった。
『…実況次何しよう…。』
――――――
「キャアアア!!生徒会の皆様だよ!!」
「城之内様素敵!!」
「久城様麗しい!!」
「凩様抱いてー!!」
「今日も米澤様男前!!」「藤谷様可愛いです!!」
最初のコメントを投稿しよう!