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俺達の背後に立っていた城之内が転校生と俺達の間に割って入って来て言った。
「貴方、失礼じゃ「お前初対面で失礼だぞ!!謝れよ!!それと名前教えろ!!」
「ちっ、うるせぇ騒ぐな。」
あっ、会長キレそうになってる。
煩いのが嫌いな城之内にとって転校生の声は目障り極まりないだろう。
「お前サイテーだ!今謝ったら許すから謝れ!!」
「……もういい、2階行くぞお前ら。」
「あっ待てよ!!」
ギャーギャー騒ぐ大海原を無視し、生徒会と風紀専用の2階席へ向かう。これは一般生徒が混乱しない為に作られたものだ。毎日混んでて席に座れなくなっている一般生徒には悪いなと後ろめたさを多々感じた。
武は後ろを振り替えると久城と藤谷兄弟が大海原と楽しそうに戯れていた。周りの生徒達が呆然とその様子を見ている。
「…かいちょ、副かいちょ達……。」
「あ?……ほっとけ。」
城之内はチラリと久城達を見たが直ぐに興味を失って席に座った。
「たけたけも座って食べよぉ~。」
「……あぁ。」
武は久城達が気になりつつも席に着いた。
――――――
あの後武は食堂で食事とり、部屋へ直行した。残っていた仕事は済ましたし、怒られはしないだろう。
風呂から上がった武はパソコンを起動させると、昨日録ってワクワク動画に上げた実況動画を見てみた。
『おっ、1万再生回数越えた…。』
思わず笑みが零れる。出だしにしては好調だ。するとパソコンの隣りに置いてあったスマホがメールが来た事を知らせる。開いてみると最近仲良くなった実況仲間の"勘太郎"からだった。
[今日色々あってホンマ疲れたわ('Д`;)武士たん癒して~www]
[☆.・:*・:※\ヾ(^ω^*)それ~]
[www元気でたわwwwところで今度、良かったら一緒に生放送で実況せぇへん?]
…………!!?
一緒に生放送実況!?
勘太郎からの誘いは嬉しいのだが、これは勘太郎と会わなきゃいけなくなるんじゃないか!?どうしよう、極度の人見知りがバレてしまう!
小さい頃から極度の人見知りで、本当に仲良くなった人以外には目も中々合わせれないし、口下手だ。でも実況だと1人だったから大丈夫だったけど…。
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