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「…そういえば、会計様は転校生の所に行かなくて良いんですか?」
「へっ?なんでぇ?」
「……凩、勇翔の話…無視して、くれ…。」
「武酷いっ!…ぶっちゃけ会計様は転校生の事どうなんですか?」
これが腐男子の性というものなのだろうか。色恋事にすぐ首を突っ込む。
「え~、転校生クンの事はなんとも思ってないよぉ。第一昨日会ったばっかりだしぃ。」
「そうですか…、(嘘だろ!?小説ではチャラ男会計は転校生に惚れてるはずなのに…、いや待てよ。まだ転校生が会計とのフラグを回収していからか?)」
勇翔俺には聞こえたぞ、お前の心の声が。
1年間も勇翔から王道の素晴らしさを聞かされれば、勇翔が今何を考えているのか大体想像がつく。
「ユウくんなんでそんなこと聞くの~?」
「いえ、ちょっと…。」
「俺の事気になるのぉ?」
凩が顔をズイッと近付けて甘くて呟くと、さすがの勇翔でも顔を赤くして慌てて後ずさった。そんな勇翔の様子を見てイタズラを成功させた子供のような笑顔を浮かべた凩が言った。
「冗談だよユウくん♪」
「マジ勘弁してくださいよぉ。俺ノーマルなのに。」
「ノーマルだなんて珍しいね!たけたけの親衛隊隊長やってるから同性愛者かと思ってたぁ。」
「まぁ色々ありまして、ねっ武?」
「…おー…。」
「フーン、そうなんだぁ。」
そう言って凩は怪しみつつもサンドイッチにかぶりつく。武もおにぎりを食べようとしたその時、
「あっ!!転校生だ!!2人共隠れて!!」
勇翔が小さく叫ぶと武と凩の腕を引っ張って草の陰に移動した。
「勇翔どうした…?」
「シッー、あれ見てみて。」
草むらから勇翔が指差す。指先を辿ると大海原と副会長の久城と書記の藤谷兄弟、それに知らない美形生徒2人が中庭に入ってきた。
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