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「転校生くん友達増えたんだねぇ。」
「そんな事言ってる場合じゃないですよっ!」
すると大海原の機嫌がよさそうな大声が聞こえてきた。
「ここスゲー綺麗だな!!ここで昼寝とかしたら気持ち良いんだろうな!!」
「えぇそうですね。今度太陽のためにここに特注のベッドを用意しましょう。」
「本当か!?ありがとう雅!!」
大海原の喜ぶ姿を見て久城はそれはもうデロッデロに溶かした砂糖の様な甘い笑顔を浮かべていた。
「あんな副会長見た事ないよ~。転校生にどっぷりだねぇ。」
「…ぅん…。」
「「太陽!ここでデザート食べようよ!」」
「いいぜ!!仕様がないから一緒に食べてやるよ!!」
「太陽は優しいんだな!」
勇翔には劣るが明るく笑った見知らぬ生徒の言葉に大海原が満更でもなさそうに照れる。
「…勇翔、今の誰?」
「あぁ、今の人はスポーツ推薦で入学してきた爽やかバスケ青年の藍田秀也(あいだしゅうや)ちなみに隣りに居る目付きの悪い不良は一匹狼の富澄岳(ふずみがく)。やっぱりあの2人はおちたかぁ。」
「ユウくん分かってたの?」
「まぁね……あっ会長様じゃないかあれ。」
勇翔から視線を外すと中庭に直結で行ける渡り廊下を生徒会長の城之内が歩いていた。大海原も気が付いたらしく声をあげる。
「お前!!昨日食堂で会った奴だよな!?お前名前教えろよ!!」
しかし城之内はチラリと大海原を横目で見ると無視を決め込んでズンズン歩き去って行く。
「あっ!!無視するなんてサイテーなんだぞ!!待てよ!!」
大海原はギャーギャー騒ぎながら城之内の後を追いかけると、その取り巻きも金魚のフンの様に後に続いて行った。
「…いや~転校生クン元気がいいねぇ。カイチョー転校生クンの事ガン無視だったけどね。」
「…それに声、大きい…。」
「確かにぃ~。」
ゾロゾロと草むらから出てくると勇翔が言った。
「会長惚れてなかったんだ…。まぁ食堂でキスしなかった時点でフラグへし折ったなとは思ってたけど…。」
「ん?なんか言った?」
「いいえ、何でもありまん。」
何でもないように笑顔を向ければ凩は?を浮かべながらも深くは追及しなかった。追及した所で分かる訳でもないのだが。
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