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武は時間が気になって腕時計を見ると昼休み終了10分前だった。時間を2人に伝えると凩は用があると言ってヘラヘラと手を振りながら校舎へ戻って行った。
そして2人も教室に戻っていると勇翔が不意に口を開いた。
「……米澤武様。」
「……何?」
いつもの明るい調子ではなく真面目なトーン。名前に"様"を付ける時は親衛隊隊長モードだ。
「これから、困った事や助けが必要になった時は、直ぐに俺達を呼んで下さい。武様が安全かつ楽しく学校生活を送れるようにするのが俺達の役目なんですから。」
「……うん、ありがとう。」
楽しい学校生活…。
俺は今、ちゃんと充実した学校生活を送れているのだろうか……?
――――――――
学校が終わり部屋に戻ると同時にスマホにメールが届いた。勘太郎からでSkypeの準備が整ったというメールだった。武はそのメールに急かされるように準備をしてこっちも準備が出来たとメールを返す。
『勘太郎ってどんな人なんだろう…。今回顔合わせのSkypeだから凄く緊張する…。』
ドキドキしてSkypeを起動させるとそこに居たのは………
「…た、たけたけ…!?!」
「こ、凩…!!?」
そこに映っていたのはなんと紛れもない凩だった。
な、なぜ!?凩が勘太郎だったのか!?
「えっ、えーと、たけたけって…"武士"なの?」
「…あ、あぁ。…勘太郎か…?」
「う、うん。…ちょっと待って、そっちに行く。」
そう言って凩は回線を切った。武も切ると訪問者を告げるチャイムがなった。
ガチャ
「武士ぃ~!!」
「う、わ…!?」
ドアを開けると同時に凩が抱き着いてきて尻餅をつきそうになるも、どうにか耐えた。
「今までこんなに近くに居たのに気が付かなかっただなんて……俺アホだぁ。」
「…いや、俺もアホ……。取り敢えず…上がって…。」
「うん、お邪魔しまぁす。」
嬉しそうに笑う凩を部屋に通して、ソファに座らせる。
「俺ぇ、たけたけにいっぱい聞きたい事あるんだけどい~い?」
「…おぅ…俺も、聞きたい事…ある…。」
「分かったぁ、…たけたけって~、喋るの苦手そうなのになんで実況では普通に喋れるの?」
「…俺、人前だと口下手に、なるんだ……。でも…、実況中…1人だし。」
「なるほどね~。」
「…凩、なんで関西弁……?」
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