プロローグ

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「しょうがないなー、じゃあもう一回だけ康也おじいちゃんのために言ってあげるねー、あそこに入りた……」 「分かったから、もう黙ってくれ」  しょうがなく読んでいた本を机に置きやつと向かい合う。やつ。幼馴染にして小中高と同じ学校。そして現在高三となった今も、山木筒美は俺に纏わりつく。そんなやつだが、癒しのお転婆童顔だとか、でも少しおせっかいでしかっりものだとかをしょっちゅう男連中に耳が痛くなるまで聞かされる。女子からもそれなりに人気はあるらしい。最近はイメチェンだとかでその栗色の髪をバッサリ切ってきた。それにいつも―― 「もしもーし! 康也ー。そこまで無視されるとさすがにへこむよぉ」  最近いつもそうだ。どうしてかこいつのことを気付くと考えている。いつも隣にいて当たり前のこいつを、なぜか。
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