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薄暗く、何処か重い空気を漂わせる広い空間に二つの影があった。
一人は豪華な装飾が施された衣服を身に纏っており、その手には赤黒い何かを纏ったひと振りの剣を握っている。
もう片方の影は輝かしい鎧を身に纏っており、その手には光輝くひと振りの剣が握られていた。
―闇と光
思わずそんな言葉を思い浮かべてしまうような光景だ。
そんな二人が互に無言の時を過ごし、広い空間内を静寂が包み込む。
しかしそんな空間は光輝く剣を纏った人間によって切り裂かれてしまう。
「魔王おおおおおおおお!」
まるで獣が叫んでいるかのように叫び越えを張り上げながら、地を強く蹴り込み、目にも止まらぬ速さで魔王と呼ばれた存在の元へと掛けていった。
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