プロローグ

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 と言っても今勇者が放った攻撃は間違いなく人間が放てる魔法の中ではトップクラスだろう。  流石は勇者。と言いたい所だが…。 「俺の盾を崩すにはまだ足りないな」  勇者の放った光の魔法もなくなり、勇者にとってそこに居てほしくない存在である魔王の姿が見えた。  その姿は先程と同様、埃一つ付いていない新品同様のままであり、先程の勇者の攻撃が効いていない事が目に見て分かる。 (…此処まで差があるのか)  その姿を見て何処か諦めに近い感情を覚えてしまう。  それも仕方がないことだろう。  勇者の攻撃はあれだけではない事も事実だが、先程の魔法は勇者が覚えている魔法でもそれなりに上位の存在。  そんな魔法を放っても傷一つつけられないのだから…既にこの勝負の行方は見えていると言ってしまってもいい程だ。
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