プロローグ

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「まさかこれで終わりではないだろうな?まだ始まったばかりだぞ?」  魔王がそう言い切ると同時に、その姿が一瞬にして消える。  消えた魔王に警戒心を高める勇者だが、その意味も虚しく、横から突然姿を現した魔王に体を吹き飛ばされてしまう。  吹き飛ばされた勇者は直ぐ様態勢を立て直すが、崩れた態勢に追い討ちをかけるかのように今度は後ろから魔王の剣が振り下ろされる。 「っく!」  かろうじで手に持つ剣で魔王の攻撃を防ぐ事には成功するが、反撃には至らず、後ろに現れた魔王はまたもやその姿をくらましてしまう。 (どうする…?僕の力が魔王にはまだ届かないとは分かっていたけど…まさか此処までとは…!)  自分の予想をはるかに上回る魔王の実力に不安が大きく募ってゆく。  このままでは一方的に嬲られて終わってしまう。それだけは避けないといけない。  しかし、そう思った所で、明確に別れた実力差を埋める事は出来ない。
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