1月1日 早朝 東京 ホテルで

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「今、お父様が日本にいて、帰って来るようには言われてたの」 あぁ、アヤノの親父は外交官だっけ。 「私が結婚したらもう一緒に住めないから、その間だけでもって」 「嫁、いくの?」 「い、いかないわよ!」 「行かないの?」 「え?何言って、……?」 「俺のところに、」 「何、またそんな……」 「離さないって言ったよね?」 「……―」 「ミレイ、返事は?」 「そんな言い方って、」 そう言ったきり、うつむいたままのアヤノ。 やっと捕まえたのに、離せるわけがない。 「たくさん、遠回りしちゃってゴメンね。でももう無理だから、ずっとそばにいて?お嫁に来てくれる?」 「神代くんの、バカ――」 「うん、知ってる」 隣でシーツにくるまったままのアヤノ。 出来ることならこのままずっといたい。 「……ずっと離さないって約束してくれるなら」 下を向いたまま、小さな声で呟くようにいったアヤノに、 「誓うよ、10年分の想いと共に、これからもずっとその想いを重ねていくよ」 「10年て…すごいよね」 「だろ?」 「私はまだそれには届かないけど……」 「はは…」 「でも、その分たくさんあげるから」 今度はきちんとこちらを向いてそんな風に宣言してくれた。
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