月は綺麗だ

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「お花見しよっくしょん!」 「ふざけないでください、〇ね」 季節は冬。ここ四月島は雪がちらついていた。 そんなある日、私はオロバスたちに提案した。「お花見に行こう!」と。 結果は見ての通り。 「大体貴女は!」グチグチ 「まぁまぁオロバスちゃん、細かいことはええやないの!お花見、私もやりたいねんから」 「モラクス!貴女まで…」 怒るオロバスのそばにはいよったのはモラクス。最近仲間になった新参者だ。角、バッチリだぜ。 「さあさあ準備した準備した!時間は待ってくれへんで!?」 「お前も準備な」 私たちは三人で荷物をして三人で出掛けた。理由?今は防衛中だからさ。 ここ四月島は4つのウィッカが存在している。私は西ウィッカに所属し、領土を守ったり攻めたり守られたり攻められたりを繰り返している。他には北、東、南と幅広い。だから、四月島なのか? 「ちょいイーラ様に質問してくる!」 「いってらっしゃい」 「いってらっしーゃい」 気になることがあるのだ。だから西ウィッカを治める魔女、イーラさんに話を聞きに行った。 「お花見?お月見ではなくて?」 「そうなんですよお花見なんですよ」 「そう……?」 私の前には金髪美女イーラさんが。困ったような顔でこちらを見てくる。私も困る。 「でも今は冬だから桜、ないわよ」 「え」 「あら、お花見だから桜を見たいのかなって思ったのだけれど…ってあら、行っちゃったわ」 オロバス、モラクス、お花見、中止、お月見、する。 私は何も言わず中止を告げた。モラクスには不振な目で「中止やと!?ふざけるんやないで!!」と言われたが、オロバスは何も言わずただこちらを凝視してきていた。視線が痛いです。
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