…記録0 出港…

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これにより緊急招集された国会で、尖閣諸島に派遣されていた海上保安庁に代わり、戦後初とも言える自衛権の行使、尖閣諸島への海上自衛隊の派遣を取り決めた。 もちろん世論からは反対意見も出たが、それよりも賛成意見の方が数で勝った……。 海上保安庁巡視船の撤退と同時に沖縄駐留の在日米軍も尖閣諸島へと動き始め、一気に日中米の間で緊張が走った……が、事態は急展開をみせる。 中国政府の突然の謝罪と尖閣諸島周辺からの中国海軍巡視艇の撤退、そして死亡した乗組員の遺族への見舞金支払いの提案。国はそれを承諾し、尖閣諸島周辺へと展開していた自衛隊の撤退を決めた。 何故急に中国側は謝罪をしたのか、それは現在においても議論をされており、中国側の思惑は未だにわかってはいない。 だが、この事件を期に自衛隊の自衛能力向上、海上保安庁の放水・警告のみの行動を廃止、反撃容認を求める声が世論、政界ともに強まることとなる。 こうしてあわじ沈没事件の半年後の2015年2月、『国家・国土保安強化法』が成立することとなった。 …… その後米軍協力の下、軍隊化もしかねない実戦形式の訓練や合同軍事演習を幾度となく行われて行くこととなる。 そして今日……南大平洋沖にて今だかつて無いほどの大規模な合同軍事演習を行うことになった。 当然演習への参加を認めない国民もある中での参加だ……当日は反対デモを行う人間で港は溢れかえるだろう。 だが俺達は行かなければならない。 日本の国土、利益を守るために。……絶対的な『専守防衛』も忘れることなく……。 ……
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