憎しみの果て

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庭先で泣きわめいていると、そこへ男の格好をした女性が駆け付けた。 くすんだ黄色の長い髪を頭の高い位置で結った、軽快な動きをする女性。 姉のようであり、兄のようであり、彼女はとても頼れ、自分にもとてもやさしくしてくれる。   どうした、何があった、何故泣いている、と問いながら姫を起こし背を撫でてくれた。 けれど言葉にできずただただ泣いていると、彼女は手の怪我に気づきそっと手を包んでくれた。 「話せぬのなら、言わなくともいい。だが、二人はどうした?」   一緒に居た二人はどこへ行ったのだ、一緒ではないのか、と問われ、姫は唇を噛み、泣いた。 その様子が尋常ではないと感じたのだろう、彼女も唇を噛み、十二単を着た姫を抱き上げ立ち上がった。 「当主様の許へ。彼の人なら、おまえを慰めてくれるだろう。落ち着いたら、すべてを当主様にお話し? 私は無理には聞かぬから」   やさしく言い聞かせ、彼女は邸へ上がり、姫を当主の許へ連れて行った。
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