俺のリリー

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「いいか!油断だけはするな!」 一際目立つ金色の髪で先頭に立つ男。 「恋呀様、日が沈めば奴らは何も見えなくなります。 さすればそこが最大の狙いになりますでしょう」 先頭に立つ男の名は恋呀。 そして狼族の王。 その横に居るのが彼の右腕、ハイエナ。 彼はハイエナ族の者だ。 「ハイエナ、リリーは居るか」 「危ないですのでリリー様はあちらで休んでおられます」 「…ハイエナ、ここは」 「お任せください、ここから6時の方向の緑のテントの中にいらっしゃいます」 「ありがとな」 恋呀は足早にテントに入り込んだ。 中に居たのは華奢な麗しい女。 彼女は恋呀のたった一人の女。 名前はリリシアン。 妖精族の者だ。 この女は元は王族の女だが、ある事で恋呀に納められた。 「リリー 」 「あ、恋呀様。 おかえりなさい」 リリーは柔らかい笑顔を恋呀に向けた。 「いいか? 俺はお前を愛してるから必ず帰るからな? 安心してこの中に居ればいいから」 そしてどちらともなく唇を重ねた。 「リリーはいつでも恋呀様を待っています」 顔を赤く染めてリリーは笑顔を作った。 「いくね、リリー」 真っ黒な肩出しの長ランを来てテントから出る恋呀。 「必ず戻る」 ただそれだけを言い残して
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