0人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいか!油断だけはするな!」
一際目立つ金色の髪で先頭に立つ男。
「恋呀様、日が沈めば奴らは何も見えなくなります。
さすればそこが最大の狙いになりますでしょう」
先頭に立つ男の名は恋呀。
そして狼族の王。
その横に居るのが彼の右腕、ハイエナ。
彼はハイエナ族の者だ。
「ハイエナ、リリーは居るか」
「危ないですのでリリー様はあちらで休んでおられます」
「…ハイエナ、ここは」
「お任せください、ここから6時の方向の緑のテントの中にいらっしゃいます」
「ありがとな」
恋呀は足早にテントに入り込んだ。
中に居たのは華奢な麗しい女。
彼女は恋呀のたった一人の女。
名前はリリシアン。
妖精族の者だ。
この女は元は王族の女だが、ある事で恋呀に納められた。
「リリー 」
「あ、恋呀様。
おかえりなさい」
リリーは柔らかい笑顔を恋呀に向けた。
「いいか?
俺はお前を愛してるから必ず帰るからな?
安心してこの中に居ればいいから」
そしてどちらともなく唇を重ねた。
「リリーはいつでも恋呀様を待っています」
顔を赤く染めてリリーは笑顔を作った。
「いくね、リリー」
真っ黒な肩出しの長ランを来てテントから出る恋呀。
「必ず戻る」
ただそれだけを言い残して
最初のコメントを投稿しよう!