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「貴様! 姫様に不躾な視線を!!!」
激昂した金髪イケメンが手にしたロングソードで僕に襲い掛かってくる。
僕はあっさりと拍子抜けな気持ちで腹に突き刺さる刃を見つめた。
「何をしているのですフラグ騎士団長!! 相手は勇者なのですよ!!?」
衛生兵と思しき少女が団長を退かすとロングソードを抜き深緑の光が僕の腹部を包む。
すると流れ出る血が止まり皮膚が逆再生されるように裂傷が小さくなっていき最終的には消えた。
「夢じゃないのね」
恐らく魔法、夢かと思って逃避したのが選択ミスだったようで本来ならバッドエンドだったが彼女に救われたらしい。
掌にべったりとついた血と腹部から血の茹るような熱さと痛みで現実だと思い知らされた。
「勇者様大丈夫ですか!?」
「助けて貰えなかったら死んでただろうね」
フラグ団長とやらを見ると文官の人に怒鳴り散らされこの場から叩き出されていた。
「げ、元気そうですね」
助け出してくれた少女は僕の股間を凝視してから顔を俯ける。
肩まで揃えられた深緑の髪に薄いエメラルドのような瞳、成長途中の子供の幼さの中にある大人の色気が混ざり合う体つき。
衛生兵のローブを身に纏う彼女の姿は愛らしい。
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