放蕩姫

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「カオルの淹れる紅茶は飲めたものではないですわ」 「せやな」 「もう帰れ君たち」  自然と入って僕が紅茶を淹れる時に、自分達の分まで頼んでおいてその言い方は無いでしょ。 「えぇやん、姫様の武勇伝聞いたってや」 「そんなに聞きたいのですか!? 仕方の無い方ですね!」 「すごーい」 「まだ始まってすらいませんわ!!」  胸を張って言いたそうなウル姫に対して棒読みで感想を言うと憤慨して僕の机を叩く。  書類そろそろ終わる、文官の真似事も長かったな。  やたらと重要な案件がサラッと混ざってるのは止めて欲しい。  王様がグリン宰相の秘蔵っ子が来るらしいと言ってたからそれまでの辛抱だった。 「……という訳です!」 「へぇ、迷子の子の親探し、ね。市井でそんな事してるんだ」 「そうです! 父様もよく行ってたそうですわ!」  身振り手振りで自分の冒険譚を語るようになってきたウル、活動範囲は広くなっていき、お付きのティアナと一緒に歩いてる姿がよく目撃されるようになった。  それを書類に目を落としながら聞く、勉学にも手を出しているのをティアナは喜んだ。 「お勉強の時間ですよー」 「受けて立ちますわ!」  資料と書類を手渡す。  事前にグリン宰相に頼んで作って貰った練習問題、王様もやらされてたらしい。  しっかり解説と答えが載っているので理解しやすい。  小さな王様は日々成長中。  グリン宰相のシゴキにも耐えます。  唸ってばかりで試行錯誤中、それを見ると僕も頑張ろうという気持ちになる。
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