放蕩姫

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「カオルー質問があるんだけど」  次に来たのは金髪の髪はストレート、弱気に眉尻は下がりパッチリと開かれた蒼眼。  漆黒のゴシックドレスはロココ調、後ろでは大きめのリボンが一つ。  西洋人形のような美しさを持つクリス姫。  魔法陣の構想を紙に起こした部分の物を持って来た。  肩まで揃えられた深緑の髪に薄いエメラルドのような瞳。  衛生兵のローブを着用してるお付きのハンナまで。 「そこは半回転、一度他を経由することで軽減させてる」 「なら、ここはこう?」 「うん、そうだね。そしてここが問題なんだけど」  テーブルに紙を広げて僕とクリスは魔法陣を仮展開して、軽く刻んでから質疑応答。 「あかん、何をしてるのかさっぱりや」 「私も頑張ってるんですけどクリス姫やカオルさんにはとても追いつけないです。少しは知識あるつもりなのに」  そうは言ってるハンナだけどクリスの手助けで頑張っているのが魔法陣を見れば理解できる。  僕ともクリスとも違う刻み方が所所に見られるから。 「わかった。ありがとうカオル」 「こっちもありがとうね」  頭を撫でるとクリスは嬉しそうに笑う。  ずっと手をガッチリ掴んで満足するまで離さないんだよね。  やる気になってるから嬉しいんだけど。 「紅茶淹れますね」  ハンナは凄い良い子だ。  兄妹が多く長女で面倒見が良い、何かとフォローが利く縁の下の力持ちみたいな。 「やっぱカオルとは全然ちゃうな」 「これはティアナもハンナを見習うべき」 「二人して何を言ってるんですか」  兄妹の喧嘩を諫めるように言うハンナ、なんか凄い良い子なんだけど。   「ハンナってやっぱりお姉さんって感じだよね、皆のまとめ役とか凄いしっくり来る」 「……問題児が多すぎるだけの気がします。カオルさん筆頭に」  自由奔放な人しかいないや。ハンナが凄い常識人過ぎて苦労してるのか。  
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