放蕩姫

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「な、なぜじゃ? なぜワシは勝てん?」  突然乱入してきたレベッカは再会の挨拶もそこそこに魔法陣を刻むクリスの手を取り、身長を比べた。  緊張の一瞬。  指を横にした分だけ、クリスが身長で勝りハンナが腕を上げて勝者アピール。  途端に崩れ落ちたレベッカ姫はあまりの衝撃で涙が引っ込んだよう。 「ユキ、放り出していいよ」 「馬鹿者、コレでも長女なのだぞ? 身分が違う」  ダメか。ユキならいけると思ったんだけど。 「おっぱいなら一番大きいんじゃないの?」  僕の言葉に三人の姫が自らの胸を見下ろし、僕に背中を向けて揉んだ後にレベッカに殺到。  六つの手に散々揉まれたレベッカはぐったりとしている。  判定はレベッカの勝利。  長女の貫禄を守った。  ちなみに大きさは放蕩姫、魔道姫、御転婆姫、薔薇姫の順。 「貴様は死にたいようだな?」 「か、かなり本気で締まってる。小さいのも好きだよ、僕は」  薔薇姫が一番小さいからとユキが僕の首を締めて来る。  かなり本気なのが恐いんですけど。 「ワシは身長が欲しかったんじゃー!!」  駄々っ子のように手足をバタつかせる長女。  放蕩生活一年ちょっと、四女に身長を抜かされる。  ロリボディに胸があるってのは良いことじゃないか。  少なくともただのロリじゃない。 「ねぇ、本当にこの娘って君達のお姉さん?」  一同頷く。一番子供っぽい気がするんだけど。  君達もマスコット扱いしてるし、抱きまわしして遊ぶもんじゃないよ。  お姉さん凄い涙目になってるから。  やめるのじゃー、とか言ってるから。
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