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「とりあえず勝負でもせんか? ちょっとだけじゃ」
「武者修行だっけ? 結局どうなったの?」
書類に目を通しながら聞くとレベッカは頷き。
「子供だからと舐めた奴らを斬って斬って斬りまくったのじゃ!」
「そうでちゅかー良かったでちゅねー」
「嘘ではないのじゃ! 何をそんなに生暖かい目で見ておる!」
腕組みして語るレベッカ姫に対して僕は小さい子供を相手するかのように対応。
机をバンバンと叩きレベッカ姫は猛烈にアピール。
「いや、別に聞きたくも無い話だったからつい」
「じゃったら話を振るでないわ!」
僕はとにかく姉妹達は聞きたそうにしてるけどね。
一応聞いておくのも礼儀かなって。
「レベッカはなんで急に帰ってきたの?」
「知れたこと、勇者を斬り捨てる為じゃ!!」
斬り捨てちゃダメでしょう、死んじゃってるからね。
せめて斬り伏せる、くらいで勘弁してあげて。
主に僕の為に。
「いいかい? 君と僕が試合をすることに何の利益があって、国の為になるんだい? 僕は国の為に書類に目を通して働いている。それを放棄してまで君と試合をするメリットを提示してくれないか?」
「面倒なんやな?」
ティアナはお口チャック。
「ほう、なら掲示してやろうではないか。もし勇者が勝ったらワシの事を好きにしてもいいのじゃ!」
「よし、乗った!!」
「掌返すの早いわ!!」
自信満々に宣うレベッカ姫にあっさりと釣られる僕、軽蔑と呆れの視線を浴びてからティアナのツッコミが炸裂した。
レベッカ姫、彼女は策士だ。
僕が断れないと解っていてそんな掲示をしてくるなんて。
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