放蕩姫

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「なんか凄い事を引き受けた気がするなー」 「お前は馬鹿か? レベッカ姫は太刀の使い手、王様の才能を受け継いでる方なのだぞ?」  ユキは毒舌を吐きながらも説明してくれた。  やっぱり飾りじゃなかったんだ、あの長太刀。  ウルも振った太刀が見えないと言ってた気がする。 「だからといってあんな条件出されたら飲んじゃうよ。それに断るとかなりしつこいよ、あのタイプは」 「レベッカ姉様はしつこいです」  クリスの言葉に皆が言葉に詰まる。  何かしらの記憶があったのか。  ぞろぞろと何とも目立つ集団の先頭をスキップしながら闘技場への道を進んでいる。 「腕試しが趣味みたいなものなの?」 「うちらや兵士連中はよく扱かれたで。暇やからって」 「絶対皆逃げただろうね」 「捕まったら最後やからな、本気で逃げたで」  遠い目をしながらティアナが語ってくれる。  捕まって散々付き合わされたんだろうね、兵士達とかもトラウマ抱えてない? 大丈夫? 「兵士の人がレベッカを避けてる気がする」 「本能、でしょうね」  ハンナが悲しげに言う。そこまでになるほどか。  感動的な再会よりもトラウマが先に来て逃げたくなっちゃうのね。  普通にしてる兵士は入ったばかりの、まだ被害に遭ってない人か。 「なぜ逃げるのじゃ! 久々に会えて嬉しいじゃろう!?」  レベッカが兵士達に突撃していくと蜘蛛の子を散らすように逃げる兵士達。  何も知らない新人兵士に中年兵士が叫ぶ「死にたくなかったら逃げろ!!」まるで戦場に立ってるかのような剣幕。  それに気圧され訳も分からず逃げる新人兵士。 「愛されてるなー」 「ほのぼのしていられるのも今のうちだ」  ユキのツッコミ。小動物が動き回ってるようにしか見えなくてめっちゃほのぼのするんですけど。
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