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「はい、通信販売のお時間がやってきました。まずはこの商品から……」
今日も私は通信販売で買い物をしている。この通信販売会社はとても、ユニークな会社で、ヒーローやお爺さんお婆さんなども売り込みをする。しかし、だからと言って口上が下手ではなく逆に信じられないくらい上手い。特殊メイクでもしているのではないかと思うほどだ。
さあ、今日は何を買おう。私は大豪邸に一人で住んでいる。そのこともあり一人では寂しい。なので様々な動物を買うのが趣味だ。まあ、育てているのは私が雇っている飼育員だが。
私は、馬、ゴリラ、蛇などを買った。まあ、今日はこんなもんだろう。
「はい、では本日の特選闇商品です」
ヒーローがビシッとポーズを決めながら言った。
特選闇商品は届くまでどんな商品か分からないのだ。
過去に買った人が、テレビのインタビューで、商品の内容について語ったことがあるが、その商品は無人島だったらしい。
本日の特選闇商品の値段は10億円だったのだが、私は、金なら持て余しているので、今日は覚悟を決めて買うことにした。
買ってから、一週間後に商品が届いた。
商品の中身はヒーロー戦隊のレッドだった。ご自由にお使いくださいと書いてある。
私は、レッドを広い、ガラス張りの部屋に放ち、飼うことにした。
毎日、3度餌を上げ、時には凶暴な動物を解き放った。レッドは凶暴な動物をやっつけると、ガラス越しに私を見て、ポーズを決めた。
更に後日私は、ヒーロー戦隊のブルー、イエロー、グリーン、ピンクを買った。その4匹をガラス張りの部屋に解き放つと、五人は奇跡の再会に頬を緩め、涙を流した。
そして、いつものように私がガラス越しのヒーローを眺めていると、レッドが服を脱ぎだした。そして、ピンクも服を脱ぎだし、あれよあれよと言う間に交尾を始めた。
それから、しばらくするとピンクのお腹が大きくなり、そしてついに子供が産まれた。私はその様子の一部始終を始めとする、ヒーロー戦隊の生態を複数の高性能監視カメラを使い一年中撮り続けた。いずれ、このビデオを世間に公表しよう。
ガラスの向こうのヒーロー戦隊と一匹のチビッ子ヒーローを私はこれからも温かく、見守っていくつもりだ。
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