拶正町

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―――― 「これと、これと…母さん何つくんだ…?」 メモに書かれた物をカゴに入れていく度に恐怖を覚える 「…忘れてた」 僕の母さんは料理が苦手だ成功するのは目玉焼きくらい 明日はきっと腹痛だ… 重い足取りで僕はレジへ向かう 「しかも母さん、無駄に高いのが多いし…」 僕は何度目かわからないため息をついた 「ため息ばかりついていると、幸せが逃げちゃいますよ?」 顔をあげると、レジにいた女の子がニコリと微笑んだ 「拶正高校1年への転校生さんですよね?」 「あ、はい」 「はじめまして。私は西城結衣。あなたのクラスメイトです」 「木村光太です…よろしく」 彼女はもう一度ニコリと微笑むと、僕に品物を渡しお辞儀をした 「ありがとうございました」
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