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「給料日ばんざーいっ!」
「「乾杯っ!!」」
毎月1日に恒例、店の近くの会社の給料日直前会。
此処は、居酒屋"黒船"。
サラリーマンの多いこの地区で彼らに与えられた、数多くある社交場の1つ。
開店から今現在まで、3年間続くこの給料日直前会は、もはや1日の風物詩と言っても過言ではない。
「あ、バイトちゃーん!こっち生ビール追加で4つお願いねー!」
「はーい!」
そして、私はこのとんでもない恒例行事の時に走り回る、この店で最年少のアルバイトだ。
今の時間は、既に22時を回っている。
そんな時間のバイトが認められるのは、20歳以上が当たり前だが、私は16歳の高校2年生。
「稔ちゃーん!こっちも生2つねーっ」
「はいはーい!あんまり飲み過ぎないで下さいよねー!」
「分かってるってー!」
早川稔(ハヤカワ ミノル)
16歳、高校2年生。
誰とでもすぐに打ち解け、すぐに仲良くなる。
人と人との壁を全力でぶち壊す、そんな女。
それが、私。
私は手にたくさんのビールを持って、宴会状態の中年親父共の元へ向かう。
途中、たくさんの注文を聞いて、その全てを頭に詰め込むと、厨房に向かって大声で注文を繰り返した。
稔は、2月1日22時現在。
たくさんの中年親父共に囲まれて、忙しく駆け回っていた。
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