9/82
前へ
/87ページ
次へ
軽く上がったテンションのままグラウンドに回る。 陸上、サッカー、こちらも思い思いに部活に専念している。 サッカーコートには椿の姿もあって、小柄な体躯に似合わずボールを競り合う姿が勇ましく、なんていうか椿らしいww 途中気づいて大きく手を振ってくれる椿に、振り返す。 「頑張れよー!」 合わせて声を掛けると快活に笑ってくれて、何か無性に照れ臭くなった。 だからっていうか、寒くなって来たし、そろそろ帰ろうとグラウンドの前を横切って寮に向かう。 ハードル、短距離、高跳び、色んな種目に打ち込む陸上部の横で、声だしをしている集団が目に入った。 ……声だしって、演劇かなんかか? つか寒っ!!あの人昨日のめっちゃ薄着だった人じゃんww外でも薄着とか大分浮くわww 集団の中でも薄着の人物に目がいき、こっちまで寒くなった。もはや一種の視界の暴力ww ただ薄着の服からのぞく日に焼けた肌は健康的な色で、ちょっと羨ましかった。 俺もちゃんと色素あったら焼けるくらい外で駆け回りたかったぞー。なんて。 まあ日常生活に支障はないから十分なんだけどね。 つい無い物ねだりをしてしまう自分に溜め息が出た。 さっさと帰ろ帰ろ。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加