フラッシュバック

15/22

2894人が本棚に入れています
本棚に追加
/843ページ
「ちょ……っ…雅ちゃん真っ青じゃないか!」 思わず大きな声をあげた昌也に、凱司も振り返り、黙って眉をひそめた。 びく、と動きを止めた雅の後ろに付いている鷹野も、苦々しい表情で視線を落としている。 「………赤…」 小さく呟いた雅の声は、鷹野にだけ聞こえた。 「どうした!? そんなに雷キライなの!?」 どうしたの。 こんな雷雨の中で。 「それとも一樹に何かされたのか!?」 それとも。 何かされたいのか。 「……ゃ…!」 立ち上がって近寄ってくる昌也を凝視したまま。 雅はその場に崩れ落ちた。 鷹野が、反射的に後ろから支えたのと。 凱司が昌也の体を押し止めたのとは、ほぼ同時だった。  
/843ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2894人が本棚に入れています
本棚に追加