“先輩”

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8月3日の花火大会の日、を。 パニックを起こした挙げ句に、口移しで飲まされたウォッカで撃沈、という、到底無事とは言えない締めくくり方をしてしまってから、数日。 雅はリビングで、留守番をしていた。 鷹野は長い髪をまとめ、薄茶の小花を散らした白いシャツを羽織って、いつものように仕事に出ている。 昼間は割と自宅に居ることの多かった凱司も、今日は誰かと会う予定が出来たとかで、既に出掛けていて、留守だ。 「今何時…」 持ち歩いているスケジュール帳を開いて。 時計と、今日の欄に書かれた時間とを確認する。 「やだ…間に合わない」 していた英語のレポートもそのままに、挙動不審にうろうろした雅は、ふと固定電話を見つめた。  
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