キスと、それ以上

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凱司の投げ捨てたプラチナは床を滑り、ソファーの隙間に見えなくなった。 シャツとベストは足元に落ちている。 下着はいまだ、片腕に引っ掛かったまま。 テーブルの上に組伏せた雅は、血の気の引いた唇を噛みしめて、横を向いたきり、動かなくなった。 (どうして、こうなった?) 首筋に、唇をあてる。 (こんなに辛そうな顔をさせて) 掌におさめた膨らみに、指先を食い込ませた。 (まだ起きてもいない事に嫉妬して) 首筋に噛み付き、顔を上げた。 (脅して) 浅い呼吸が、喘ぎに聞こえなくもない。 (犯すのか?) 掴みあげた胸の先端を、口に含む。 「……っ」 短く息を呑んだ雅の目許が上気し、赤く染まる。 握った拳を小さく噛み、必死に耐えている雅は、決して慣れているようには見えなかった。 床に着かないままの雅の足。 凱司は体を起こし、こちらを見ずに目を閉じ耐える雅を見つめると、再び首筋から耳を、舐め上げた。  
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