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「……雅」
耳許で、呼んだ。
指は腹を滑り降り、スカートの上も滑り降りる。
「…雅」
膝の辺りから、今度は上に。
スカートの裾を無視して、素肌を滑らせる。
「……そろそろ、嫌がれ」
抵抗しろ。
このままじゃ、止まらない。
凱司の指先が、スカートの中で柔らかい素材に触れる。
上下揃った下着ならば、きっと触れたのは、白のサテン地の、リボン。
一層、拳を噛んだ雅の全身が、緊張に震える。
「…雅……嫌なら抵抗しろ!」
「………んんっ…」
耐えきれずに声が洩れたのは、凱司の指先が、思いの外濡れたそこに、直接触れた時だった。
「ごめ…なさい……っ…」
慣れた、体。
こんなに緊張しているのに。
体は、本能と学習とで、女の反応を示す。
「…あっ……ごめんなさ…っ」
ごめんなさい、ごめんなさい、と繰り返した雅は。
嫌じゃ、ないの、と、泣き出した。
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