キスと、それ以上

14/18
前へ
/843ページ
次へ
指を更に奥へと誘うような、独特の収縮は、柔らかくも激しかった。 ぴくん、ぴくん、と手足を震わせ、雅は再び泣き出した。 今度は、切な気に。 ごめんなさい、と繰り返し、真っ赤に染まった頬を隠すように、凱司の首から腕を外し、顔に乗せた。 「……ごめんなさい、こんな…こんなの……」 ゆっくり引き抜けば、これ以上の受け入れは出来ないとばかりに体は閉じていく。 凱司は、指ひとつで登り詰め堕ちた雅の頭を、両手で抱いた。 「ごめんなさい…あたし…」 凱司さんに、させちゃった。 あたしがしなきゃいけなかったのに、勝手にイっちゃった。 「…馬鹿。俺がイかせたんだろ。お前は正しく流されただけだ」 だから、泣くな。 離れて、行くな。 体を起こしてやり、シャツを拾う。 「……あたし、出来ると思うから…」 目を開けないままの雅の肩にシャツを掛けると、抱き上げた。 「いい。悪かった。…お前がさせた訳じゃない、俺が…したんだ」  
/843ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2895人が本棚に入れています
本棚に追加