成人式

11/21
前へ
/21ページ
次へ
市民会館の周りには木が沢山、生えている。 数百本あるうちの1本の木に、光本が寄り掛かって座り込んでいた。 光本はいつでもどこでも本(ライトノベル)を読む奴だったが、今は読んでいない。 さすがに成人式には本を持ってこなかったようだ。 じゃあ何故、木に寄り掛かり座っているか? それは、 光本「うぇ、酔った。気持ち悪っ!」 高瀬「二日酔いだと!?」 光本「うぅん…おぇ」 俺「ただの車酔い」 高瀬「ああ…確か、乗り物に物凄く弱かったっけ?」 先ほどの恐怖のドライブで光本が急に静かになったのは、吐くのを堪えてただけだった。 俺「大丈夫か?」 光本「あああ」 高瀬「大丈夫に聞こえねえな」 俺「会場まであと30分くらいあるから、ゆっくり治せよ。」 光本「さ、さんじゅ、うぅ~?」 俺「俺ら時間間違えたらしいよ。」 光本「なんだとぉえ」 俺「“なんだかんだ”言って、余裕の到着だったみたい」 光本「損じゃ、ぬえか?」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加