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光本の母が運転する車をとあるバス停の近くで待っていた。
バス停で待ってた理由は、光本自身が俺の家の場所を知らないからだ。
そういえば、家に招き入れたことが無かった。
だから、最寄りのバス停に迎えにきてくれることになった。
バス停で待つこと15分、ようやく光本の母の赤い車らしきものが、迫ってきた。
ジャンパーを着ているとはいえ、15分も氷点下の世界にいたので、体が芯から冷えていた。
う~ん、さすが北海道。
というわけで早く車の中に入って暖をとりたい。
向こうから来た赤い車は俺の目の前で停まってくれた。
そして助手席側の窓が開き、光本が顔を出す。
光本「よっ!久しぶり~」
俺「窓から顔を出したら危ないぞ?」
光本「動いてねえから大丈夫だよ」
俺「さいですか…」
光本「早く入れよ。時間押してるし、寒いだろ?」
俺「うん。だから、開けてくれないかな?」
光本「え?外から開かない?」
俺「自動ドアで出迎えるもんだろ?」
光本「タクシーじゃないんだから、そんな機能無えよ!?」
俺「あ、そっか」
光本「二十歳になっても相変わらずだな」
俺「うるせ」
俺は、ドアを開けて車の中に入った。
そして光本は助手席から一旦外に出て、後部座席に着いた。
光本「僕も後ろに座る」
俺「わざわざ座る場所変えるのかよ?」
光本「二人とも後部座席のほうが話しやすいだろ?」
俺「まあそうだな」
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