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母「準備はいい？」
俺「じゅ、準備？」
光本「シートベルト！」
俺「お、おう？」
ななななな何が始まるんだ？
母「準備できた？」
信号機の表示が青になったときに聞いてきた。
俺「あ、はい」
光本「いや、心の準備がまだ」
ズギャアアアア！と凄まじい音をたてて、車は急加速した。
ちょちょちょっと待てえいぃ！
なんでいきなり、４速にするんですか!？
マニュアルの車は、運転手の左側に（運転席と助手席の間）シフトノブというものがあるのをご存知だろうか？
そこには
１ ３ ５
├─┼─┤
２ ４ Ｒ
という表示があり、その方向に傾けることで、対応したギアを使うことができる。
ギアの力は、数字が小さいほど加速力は無く、Maxスピードも遅い。
ちなみにＲは、バックするときに使うギアである。
信号などで止まったときに１速にして（ノブを左上に傾けて）待機する。
そして信号が青になり動き出したら、２速、３速と順番に傾けて少しずつ加速する。
そして最終的に４速になったら加速終了で、直進の場合ほとんどギアを変えず走行する。
しかし光本の母は、１速の状態から２速、３速を省略し、一気に４速に！
徐々に加速することで、人にも地球環境にも少し優しくなるのだが、急に加速したら人にも地球環境にも悪い。
光本「ズギャアアアア！」
俺「なんだお前、車の雄叫びか？」
光本「違うよ！本気で怖いんだよ！」
そんな会話していると“ガコン”ってシフトノブを動かしたような音をした。
え？
４速に入れてたよな？
つまり、動かす必要無いよな？
恐る恐るレバーを見ると、５速に入ってた。
あのぅ、５速っていうのは、高速道路以外では使わないギアなんですけど？
光本「いやああああああ！」
俺「マジか!？」
母「（光本）拓哉がちんたらちんたら準備するから15分の遅れをとってるのよ？」
光本「いやだって、ネクタイの結び方わからなかったんだもん！」
母「何かに捕まってなさい！」
光本「ままま毎回言うけど！けけけ警察に見つかったらどうすんだ!？」
母「ネズミ取り対策ならバッチリよ!！」
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