エピローグ

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ひーちゃんが日本を発って2週間が過ぎた。 結局私は、引っ越しを取りやめ、今の部屋を更新した。 幸いにも、まだ入居審査段階で、ひーちゃんが日本を発った翌日に 賃貸借契約書にサインをする予定だった事。 部屋のオーナーさんが、今の部屋と、たまたま同じ人だった事。 その方が大目に見てくれた事で、キャンセルができた。 色んな人に迷惑を掛けたし、申し訳ないと思うけれど。 ここを離れずに彼女の帰りを待ちたい。 この場所で、彼女を待ちたい。 ついこの前まで、彼女を感じてしまうこの街を、早く離れたいと思っていたのに。 今では街のあちこちで、彼女の面影を見てしまう。 小さな公園。 その側にある自動販売機。 スーパーの中のパン屋さん。 2人で歩いた、道。 彼女と過ごした日々が、街のあちこちで蘇る。 いつか、彼女が帰ってきたら、2人で暮らしたい。 今度は、素直な気持ちで向き合いたいから。 私は私のやるべきことを、きちんとやっていかなくちゃ。 前にもまして気合の入る私に紗貴ちゃんには 『結華ちゃん、ちょっとウザいよ。』 なんて苦笑いされた。 私は、私の道を進むだけ。 いつか帰ってくる彼女の隣に、胸を張って立てるように。
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