405人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日。
部屋のベッドから顔を出すと恨めしげに俺を睨む、依存症執事がいた。
その目には、嫉妬や恨み、悔しさや悲しさが混ざっている様な気がした。
『……はよ。』
「………。」
執事は無言で俺を睨む。
俺は気にせず寝間着を脱ぐと制服に着替える。
調度チェックのお洒落なネクタイをしめた時、彼は口を開いた。
「朝、あの子に会いに行ってみるといませんでした。」
『そう。…遊びに行ったんじゃない?』
「っ……馬鹿な事を言わないで下さい!あの子があの部屋から出れないのを知っているでしょう!!」
震える声を隠そうともせず、依存症執事は言い切った。
昨日、夜中の3時位に斬雪は母と父に連れられて家を出た。
たまたま見かけた俺は斬雪の嬉しそうに笑った顔に驚いたことを覚えている。
『知ってたよ。察しはついてた。でも、流石に夜中に連れだ』バチンッ――
「ふざけるなッ!てめぇ、斬雪の気持ちにもなりやがれ!!」
頬に集まる熱を冷ますように指を頬に這わせる。
冷たい指が気持ちいい。
頬を思い切り叩かれた俺は何故か冷静に依存症執事の話を右から左に聞き流す。
最初のコメントを投稿しよう!