プロローグ

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翌日。 俺はピアノのレッスンが嫌で適当な理由を着けて部屋から出た。 ブラブラと無駄に金のかかった廊下を歩く。 擦れ違うベタなゴスロリ気味のメイド服を着た若いメイドが擦れ違う度に声をかけられる。 「静慈様、お部屋に御戻り下さい。旦那様にお叱りを受けてしまいます。」 『大丈夫だよ。結果さえ出せば何も言わないよ。』 「何を根拠に…」 渋るメイドに俺は ん~ と唸ると分かった様に笑顔を向けた。 『勘と経験。』 驚くメイドを無視して地下へ向かう。 昨日の事を確かめたかったからだ。 近くにあるエレベーターに乗り、地下と隠れる様に設置されているボタンを押す。 『隠しても無駄。』 階を指すランプを見ていると調度五階で止まった。 エレベーターのドアが開くと、一人の燕尾服を着た執事が隠す様にしてラップで包まれたおにぎりを持っていた。 『それ、君の昼食?それとも地下の誰かへの贈り物?』 「え…ハッ、せ、静慈様…!!」
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