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その翌日もその翌々日も俺は斬雪に会いに行った。
理由は簡単。
ただの暇つぶし。
同情とかあの妙に斬雪に依存している執事と違って俺は感情移入はしていない。
ある日、俺が学校から帰宅すると母と父が妙な顔をして俺を部屋へ呼んだ。
変に感の良い俺は二人の様子を見て分かった。
斬雪と会っているのがバレた。
大体様子はしていた。
寧ろ、バレるのが予想より遅いくらいだ。
部屋をノックするとドアを開けて中に入る。
母と父は既にソファに座っていて、父は俺に座るようにと促した。
「静慈。……此処にお前を呼んだ理由は分かるかい?」
『さぁ……検討もつきません。成績は落ちていないですし…』
しらばっくれる俺。
母はジッと俺を見た。
「地下には行った事があるか?」
『いいや。地下なんてあったんですか?』
「あ、嗚呼…実はね、地下に大切な物があってね。」
父にしては見苦しい嘘だった。
母は肘で父の横腹を突くと父の口は止まった。
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