ハジマリ

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席につくと、隣から声をかけられた。 「なぁ、もーろはチャン♪」 軽々しく呼ばれて、若干引きながらちらりとそっちを見ると、真っ赤な髪をした不良さんだった。 み、見なかったことにしよう。 全力で気付かないふりしよう。 「なぁって!無視せんで!? 泣いてまうで、俺!!」 な、泣くの!? 『な、泣…!?』 「あ、やっと向いた!」 ……全然泣いてないし! 『なに…?』 「俺な、中西 燐(ナカニシ リン)いうの。 よろしゅうな!」 『はぁ、どうも…』 「李由っていうていい? 俺も燐でええから!な!」 すっごいキラキラ笑顔の燐は、関西弁で真っ赤な髪が印象的な元気な人だった。 『あー、よろしく』 「おう!!」 そのあと、すぐにチャイムが鳴ってしまったので会話は終了した。 さすが、不良校。 …授業が簡単だ。っていうか、人少ない! HRはみんないたのに! 気になりつつ、授業を受け、お昼。 弁当を持っていて、食べようと思ったら燐が来た。 「李由!メシ一緒食お!」 『あ、うん!』 「屋上行こーや。ダチ紹介したいねん」 にっこりと笑った燐はそう言って李由の腕を引き、歩き出した。
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