5人が本棚に入れています
本棚に追加
席につくと、隣から声をかけられた。
「なぁ、もーろはチャン♪」
軽々しく呼ばれて、若干引きながらちらりとそっちを見ると、真っ赤な髪をした不良さんだった。
み、見なかったことにしよう。
全力で気付かないふりしよう。
「なぁって!無視せんで!?
泣いてまうで、俺!!」
な、泣くの!?
『な、泣…!?』
「あ、やっと向いた!」
……全然泣いてないし!
『なに…?』
「俺な、中西 燐(ナカニシ リン)いうの。
よろしゅうな!」
『はぁ、どうも…』
「李由っていうていい?
俺も燐でええから!な!」
すっごいキラキラ笑顔の燐は、関西弁で真っ赤な髪が印象的な元気な人だった。
『あー、よろしく』
「おう!!」
そのあと、すぐにチャイムが鳴ってしまったので会話は終了した。
さすが、不良校。
…授業が簡単だ。っていうか、人少ない!
HRはみんないたのに!
気になりつつ、授業を受け、お昼。
弁当を持っていて、食べようと思ったら燐が来た。
「李由!メシ一緒食お!」
『あ、うん!』
「屋上行こーや。ダチ紹介したいねん」
にっこりと笑った燐はそう言って李由の腕を引き、歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!