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「な、今度俺にも作ってくれへん?!」
『いいよ』
「ホンマか!」
わいわいと燐と話ながらお昼をたいらげた。
「おい、いつまでいんだよテメー」
弁当を片付けていると、
あの金髪の男が言い出した。
…燐との会話に夢中すぎて、まわりの人達の存在を忘れてた。
「いーやんか、お前らそろそろ前向けや」
「うるせぇよ」
「僕だって、頑張ってるもん」
「俺は別に~」
なんだか話が見えないんだけど。
燐は3人で話し出しちゃったし、困った。
ここに1人で居るのは無理があるぞ。
1人でおろおろしてると、
不意に横から声をかけられた。
「なぁ、」
『は、はい?』
声をかけたのは、黒髪で長身の人だった。
「お前、ここがどこだかわかってんのか?」
『、?』
「……ならなぜここに来たんだ?」
『連れてこられて…』
「そうか」
『あの、でも、もう帰ります』
迷惑だったんでしょ?、あたしがいると。
迷惑、かぁ
―――「アンタは必要ないのよ」
―――「迷惑、邪魔!」
『…ッ』
嫌な事思い出しちゃった。
最近では思い出すことなかったのに。
―――「消えろ!」
あぁ、止まらない。
一度開いた記憶の扉が閉じない。閉じてくれない。
―――「来んな!こっちに来んな!」
―――「ばけものぉ!!」
『あ…ぁ』
どうしようどうしようどうしよう
止まらない、助けて、
…… はるちゃん…っ!
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