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新入生は入学式を終え、クラスで保護者とSHRをしている頃
私たちは新しい担任の長々しい話を聞かされていた
下校は新入生も含め一斉下校
あの子に会うチャンスだ
チャイムが鳴る
私は急ぎ足で教室をでた
「沙織?今日マックいかない?」
「ごめん。きょうは用事あるんだ」
後ろを見ずに断り
また急ぎ足で廊下を歩いた
「名前は?名前は?名前は?」
今度は聞きそびれないように…っと
校舎を出たら新入生がいっぱい
「これは見つけにくいなー」
「なにが?」
男子の声が後ろでしたから少し期待した
「佑真か…」
「なんだよ。悪いか」
「めっちゃくちゃ悪いね」
「ほ-誰だったらいいんだよ」
あの子でしょ
だいたい話してる場合なんてない
「おぉ。お前うちに入学したのかー」
佑真が後輩に話しかけていった
少し横目でみると
“あの子”だった
「あ…。あ!あー!!!!」
「んだよ。ほんっと沙織うるせぇ」
咄嗟にあの子を指さした
な、なんで佑真が!?
「え、えっと佑真と知り合いだったの?」
「はぁ?何いってんだよ」
横から入ってきた佑真は呆れた顔をしている
その横で笑う
あの子
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