はじまり

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「なんで…?」 なんなんだこの子は 佑真…だれ。この子… 「ありゃりゃ残念だな。こいつ睦月の事覚えてないってよ」 「ほんと。残念だ。俺は沙織の事覚えてたのに」 さっきから話が猛スピードで進んでいく 「あ、あのー。ごめん。よくわからないんだけど」 よくわからないというより全くわからない。 頭がごちゃごちゃ。 「こいつ、斎藤睦月」 「え?睦月?斎藤睦月?」 「そうだよ。さっきから睦月睦月って俺ゆってたし」 睦月って睦月? 急に鎖骨下の古い傷が痛くなった 「いった…」 「…まだ傷治ってないのか…?」 「え、あ。これ…」 「あん時のだよな?」 やっぱり。この傷がなんだか知ってるのは睦月しかいない 睦月だ。 あの時とは全く違う睦月だ。
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