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目の前の白髪(はくはつ)の彼女は、湖から出てきたばかりかのように濡れていた。
それでも、何事もなかったかのように、彼女は可憐だとか気品だとかを忘れることなく振る舞うのだ。
その出で立ちは恐ろしいほど優雅で、その声は身が震えるほど美しい。
そして、彼女は言う。
「……貴様。私に何の用だ? 妾(ワラワ)は高貴なる――――であるぞ」
「――――。ボクはお前の力が欲しい」
「嫌だ。と言ったら――」
「そんなこと、ボクが嫌だ」
「……フ……フハハハ! 愚かだな人の子よ。しかし――それだからこそ面白い。いいじゃろう、妾が答えは――」
これがボクとボクの武装具との初めての会話――その1断片である。
そして、ここから始まる。
ボクとボクの武装具とそしてボクらの学園生活が――
この、【武装学園】で。
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