プロローグ

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 ■■■  学校は崩壊しなかった。あれほど祈ったのに。  去年もやはり祈りは届かなかった。そうなると、学校というものは簡単には崩壊しないことになるのだ。当たり前だ。それでも憂鬱なものは憂鬱で現実逃避をしたいものは現実逃避をしたいのだ。ただ、それだけなのだ。  改めて遠目から校舎を眺めると圧巻だ。圧巻の一言につきる。でかすぎる。ばかでかい。一体どんな理由を経てこのような一県ほどもある学園をつくりだしたのかボクにはわからない。そもそも、これをつくろうと考えだした大人たちにしても、ここまで大きくなるとは思ってもいなかっただろう。  ここが、今日から第二学年に進級し、地獄のような毎日を送ることを強いられている監獄だ。  “武装学園”  人はこの地獄を、そう言う。
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